知的文章術を読んで
こんにちは金やんです。
東大生に最も読まれている本で有名な「思考の整理学」著者である外山滋比古さんの「知的文章術」という本を読みました。今日はその感想です。
冒頭に出てくる「文は人なり」という観点が非常に興味深かったです。
結局は文章はいくら技巧を磨いたところで上達することはなく、実際に感情をこめて心を練ることをしない限り上達しないということです。
どういうことでしょうか??
情報化が著しい現代では海外など遠隔地にも関係なく秒で自分の体験や考え、アイデアを伝えられる時代になってきています。
そんな世の中だからこそいわば飛び道具である文字表現の大切さはますます増しています。
その裏返しで文字で多くの情報を広域に一気に伝えられてしまうからこそ人間は目だけで文字を読むようになり、耳で文字を楽しむことが減ってしまっているというのが外山さんの考えでした。
例えば、南極観測船で調査をする夫にあてた有名な電報の言葉があります。
「ア ナ タ」
これだけ短く情緒的で心を動かされる文字はないと外山さんは表現しています。
夫の帰りを待つまっすぐな女性の姿と思慕の深さが五感で感じられます。
文字や文章は人に伝えるための手段です。自分の感情表現をいかに相手にしっかりと伝えきれるのかが重要です。
いたずらばかりする小学生を改心させたくて哲学的な言葉をいくつ並べても何も刺さらないということです。小学生にわかりやすい言葉でわかりやすく伝えることが重要。
年に50回ほど講演会に参加することも主催も両軸でしていますが、逆に専門用語など使わず小学生でも理解できるような言葉で説明できる人ほど話が上手だという印象を受けます。
僕は毎日必ず日記をつけていますが、あまり読む対象のことを考えられていませんでした。日記なので読む対象は自分になりますが自分に対して読んで当時の状況や信条まで思い出せるほどわかりやすく気持ちをこめて書けているのか?を意識して書かないと日記はただの事実を読み返すだけの役割に終わってしまう。
文章力や表現をずしりと反省させられる深い内容でした。
この本は文字表現の心の在り方だけでなく技法についてもしっかりと触れています。ライターさんは下手なコピー学ぶよりもこの本を読んだほうが100倍は役に立つと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました~!!